東京都中学校音楽教育研究会の本年度の事業につきましては、基本的には、感染対策を施しながら、事業の開催方法を工夫するなどして、実施していく方針で考えています。今後の感染状況、社会状況を見極めながら、生徒の安全確保を第一として、本会の事業を推進して参ります。区市町村教育委員会様をはじめ各校の校長先生方には、音楽科の持つ特性をご理解いただき、子供たちの音楽活動を止めることなく 1 年間のカリキュラムを実践できるようご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。音楽科教員の皆様方に於かれましては、各地区の感染対策のガイドラインに則り、感染対策を十分に施した上で、管理職先生の許可の下、子供たちへの音楽教育に当たっていただきたいと思います。
感染拡大の第 6 波の波はオミクロン株に置き換わっています。ゴールデンウイーク明けの感染者数の増加や変異株 BA2、EX などの蔓延も懸念されています。子供たちの感染対策の意識を高め、日々の実践に当たっていただければと思います。
新学習指導要領全面実施の 2 年目となりました。各自治体によっては教科書が換わった地区もあろうかと思います。音楽科に於かれましても学習指導要領の趣旨である「主体的、対話的で深い学び」を通して、音楽的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力を育んでいただきたいと思います。
1 令和4年度本研究会の活動の重点について
(1)「学習指導要領の内容を踏まえた授業実践を図ること」
音楽科で育成を目指す資質・能力が「生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力」と規定され、そうした資質・能力の育成を目指すために「知識・技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱に沿った目標が示されています。このことにより生徒が教科としての音楽を学ぶ意味が一層明確になっています。学年の目標についても、教科の目標の構造に合わせて、3つの柱で整理されています。
また、内容構成については従来と同様に、「A表現」「B鑑賞」及び〔共通事項〕で構成されています。指導する内容自体について大きな変更はなかったものの、「思考力、判断力、表現力等」「知識」「技能」のそれぞれの資質・能力に対応するように構成され、それによって指導すべき内容が一層明確になっています。新学習指導要領全面実施にあたり、これらの点をきちんと踏まえながら、先生方が自らの授業について振り返り、指導の改善を図っていけるよう実践研究を推進してまいります。また改訂された新しい教科書等を活用した「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善のモデルを開発してまいります。
(2)「コロナ禍における音楽科授業の在り方を提案すること」
本研究会では、昨年度「新型コロナウイルス感染症拡大防止の視点による音楽科授業の工夫改善について」調査研究いたしました。各地区の感染状況に応じて様々な工夫がなされていることが判りましたが、コロナ感染症対策が長期化する中、感染症対策を講じながらどのように表現活動を実践していくかが大きな課題となります。本研究会では、コロナ禍における授業実践について昨年度に引き続き研究を深めてまいります。
(3)「3観点による評価方法についての研究開発すること」
令和3年度の全面実施からすべての教科の評価の観点が、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で評価することになっています。文科省国立教育政策研究所から「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料が、東京都教育委員会から「指導と評価の一体化を目指して」(令和2 年9 月)が発行されました。また、これらの資料に基づく各地区独自の評価資料を作成された自治体もあるかと思います。本研究会においても今年度から始まる3観点評価の在り方について実践的な研究開発を推進して参ります。
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